「ゴルフで見つける、私の”特別”」TVアニメ『空色ユーティリティ』 ぷるぽよ、daisuke horitaによる、「群青 Love theory (special ver.)」対談インタビューが公開!

2025/3/27

TVアニメ『空色ユーティリティ』音楽連載の最終回は、最終話のエンディングで流れた「群青 Love theory (special ver.)」について、作詞担当のぷるぽよと、作編曲を手掛けたdaisuke horitaに話を聞いた。この曲はもともと2021年に放送された短編アニメ『空色ユーティリティ』の主題歌として1コーラスだけ書かれたもの。それが2025年にTVシリーズの楽曲として起用されたのにはどんな経緯があったのか。そしてあらたに書き起こされた歌詞やアレンジにふたりはどんな思いを込めたのか。『空色ユーティリティ』の集大成にふさわしい一曲に迫る。

 

ーー「群青 Love theory」の歌詞を担当されたぷるぽよさんは、この曲を書く以前に作詞のご経験はあったのでしょうか?

 

ぷるぽよ 実を言うと「群青 Love theory」が初めての作詞になります。

 

ぷるぽよ

 

daisuke horita いわゆるデビュー作ですよね。

 

daisuke horita

ぷるぽよ それまでも趣味程度で書いてはいたんですけど、本当に趣味止まりで。「群青 Love theory」はもともとコンペで、社内公募だったんです。そこでhoritaさんにお声がけいただいて、「作詞の経験はないけどネタ枠として」って(笑)。

 

horita そんな失礼なこと言いました?(笑)。

 

ぷるぽよ 言いました(笑)。でも私も話を聞いて「面白そうだな」って思ったので書いてみようと。募集期間も短かったので、そこから3日ぐらいかけて2案ぐらい出したんですけど、それが当時のPR担当の方も交えて揉んだ結果採用になったみたいで。

 

ーー当時はまだ短編ということもあり、断片的な情報を拾って歌詞にしていったわけですね。ちなみにゴルフに対する知識はいかがでしたか?

 

ぷるぽよ ゴルフもまったくやったことないんですよ。でも小さいときに遊園地の隅っこにゴルフゲームがあって、それに触れた記憶はありますね。(短編での)主人公の美波ちゃんが、「パーを取るぞ、パーを取るぞ」という目標があることは設定としてあって、でも「パーってなんだ……?」と思っていたぐらいで(笑)。

 

horita 美波が意味のわからない呪文を言っている人だと思ってたってこと?(笑)。

 

ぷるぽよ 「なんの話してるんだろう?」ってずっと思っていました(笑)。それこそクラブの種類とかもわからないし、ゴルフに対する知識が浅すぎて。

 

ーー2021年当時のバージョンは、そういった経緯で書かれたわけですね。

 

ぷるぽよ そうですね。ただ、コンペの概要に「ゴルフ用語をあえて入れたくない」という話があったので、そこに助けられたところもありますね。

 

ーーちなみに、歌詞を社内コンペにしたのはどんな理由があったんですか?

 

horita そもそも2021年の短編アニメは、社内の有志で作ったフィルムだったんです。参加したい有志だけで集まって、ぱっと作ったタイトルなので、資料や設定も外向きに全部まとまってるわけではなくて。その都度決めて15分の尺に落とし込んでいたんですよね。

 

ーー音楽ふくめ有志で作ったフィルムだったわけですね。

 

horita そうですね。その当時は僕もゴルフのことを全然知らなかったんですが、監督が表現したいことを音で拾ってあげられたらいいなと思って。自然をイメージさせる音作りを意識しつつも、美波、遥、彩花の3人が仲良くゴルフを楽しむ様子を表現できるような音楽を目指しました。そういった経緯もあり、歌詞も社内コンペにしました。

 

ーーなるほど。

 

horita 作品のテーマを考えたときに、美波ちゃんと同じように「とにかくやってみよう」という人にお願いしたいと思ったんですよね。それで集まった歌詞を見たときにみんなが「これだよね」となったのがぷるぽよさんの歌詞だったんです。かわいくてキャッチーさがある、いい歌詞でした。

 

ーーそうして出来上がった歌詞ですが、タイトルにもありますが”Love”や”恋”というワードが印象的ですね。

 

ぷるぽよ ふと、美波ちゃんのゴルフに対する感情は何なんだろうって考えたときに、もしかするとゴルフに対して恋愛的なハマり方をしているんじゃないかって思ったんです。そこからイメージを膨らませて、恋愛ソングのようなドキドキ感を意識しながら書き進めました。

 

ーーそんな「群青 Love theory」がTVシリーズ最終話のEDテーマにするというアイディアはhoritaさんのなかでもあったんですか?

 

horita 僕としては最初は考えていなかったんですよね。ただ、監督やプロデューサーが「使おう」と提案してくれて、最終話に採用していただくことになりました。

 

ーーなるほど。

 

horita この楽曲が最初に使われたパイロットフィルムは、TVシリーズとは直接的には繋がっていないんですよね。まったく違うわけではないんですけど、決して同じものではない。なので、曲の歌詞自体は前回のフィルムで完結しているんですよ。歌詞も同様に完結してはいるので、そういった部分でも楽曲は作るにせよ、アレンジを変えてしっかり収録し直す形かな、と考えていましたが委員会プロデューサーが楽曲に対する熱い思いを語ってくれて2番以降の歌詞も書いてもらいたいという熱意に押されました。(笑)。結果として、すごく良いものが出来たと思いますし、この熱意がなければ今回の「群青 Love theory (special ver.)」は産まれてないと思います。

 

ーーぷるぽよさんとしては、新しい歌詞を作ることになったときのお気持ちはいかがでしたか?

 

ぷるぽよ お話をいただいたときはうれしくて、すぐに「やります」って返事をさせていただきました。そのあとすぐに「どうしよう……」ってなりましたね(笑)。

 

horita たしかに難しいよね。パイロットフィルムで”恋愛理論”で歌詞を書いてもらって、そこからTVシリーズはまた違うものになって。それでもオリジナルのタイトルは拾わなくちゃいけないという。

 

ぷるぽよ それで今回はまとまったお時間をいただきました。最初は改めて全部を見直すところから始まって、TVシリーズの脚本も読んで、コンテ撮もあがっているものを全て見ました。キャラクターも増えていますし、それこそ美波ちゃんの印象も変わっているんですよね。HAMの3人も仲良くなるところから始まっている。そうしたなかで美波の成長も感じられるシーンがあったので、少しビターな部分を入れたいなと思い始めて。そこからもともとの1番が真っ青な空だとしたら、2番は夕焼けのイメージで書いてみようと思ったんですよね。

 

ーーたしかに1番だけを見ると青空への感動と終わらない青春のようなイメージもありながら、2番以降はその終わりを感じさせる寂しさもありますね。

 

ぷるぽよ そうですね。HAMの3人は年齢も違っていて、それぞれの青春を過ごしている。そういった要素を2番の歌詞に入れました。楽曲を聴いたあとに、また1番から聴き直してもらえると、印象が変わる内容になっていると思います。

 

ーーまさに最終話のEDに相応しい仕上がりとなりましたが、horitaさんとしてはいかがでしたか?

 

horita 最初に歌詞があがってきたときに思ったのが「めちゃくちゃ歌詞を起こす前に制作資料を読みこんでるな」って。他の仕事も忙しい中、しっかりむきあってくれてありがたいと思いつつ、資料だと補足されないところもあって、その部分を補完してほしいと話しました。あとパイロットフィルムのときに書いてもらった歌詞と比べて音楽的にすごくキャッチーに刺さった部分を上手く揃えてほしいというところもお願いして、もう一稿お願いしました。

 

ーーそうして出来上がったのが現在のバージョンになるわけですね。またサウンドも初期のバージョンと比べて音数も増えた仕様になりました。アレンジについてはどう考えられましたか?

 

horita パイロットフィルムから観てくれた方、あるいはTVシリーズから観てくださった方、一緒に作ってくれたスタッフ、協力してくださった各社さまへの感謝を込めて作りました。作中でも主人公である美波ちゃんはいろんな人と出会って、助けられて、自分のなかで何かを発見できた、そんなストーリーとTVシリーズ制作に至るまでのストーリーをリンクさせたいと思って作りました。

 

ーーアレンジで細かいところまで音色が増えていったのは、TVシリーズで集まった仲間たちを表現していると。

 

horita まさしくその通りです。

 

ーーそうしたさまざまなものの集大成のなかで、最後に”この場所で会えるね”というフレーズで締め括るのもまた泣けるといいますか。

 

horita そうなんですよね。あれはどうしても最後に持っていきたかった。なのでぷるぽよさんにもそうオーダーしました。

 

ーーそうしたなかで、高木さん、天海さん、後藤さんの歌唱はいかがでしたか?

 

horita 3人ともずっとこの曲を覚えてくださっていました。なので「今回はこういうことをしたいんです」とだけ伝えて、あとは自由に歌っていただきました。みなさんも最初にレコーディングしたときからいろんな経験をされて、さらに上手くなっていましたね。

 

ぷるぽよ 私もレコーディングに参加させていただいたんですが、まず、自分の書いた歌詞を皆さんが歌ってくださっていることに感動しました。それと今回のTVシリーズを通して、より皆さんにキャラクターが降りてきている感じが伝わってきて、その成長も相まって、ずっと感動しながら聴いていました。

 

ーーTVシリーズを経験した3人というのが伝わってきますよね。ぷるぽよさんのなかでお気に入りのフレーズはありますか?

 

ぷるぽよ やっぱり”彩る風は広がり”から始まる、3人の名前が入っているところですね。あそこは最終話を観てから聴くとグっとくるんじゃないかなと思って書きました。TVシリーズでは3人の目指すところが描かれるので、そういった部分にも注目して聴いていただけたらなって思います。

 

ーーでは最後に、この連載の締め括りとして、horitaさんから『空色ユーティリティ』の音楽を楽しんでこられたみなさんへメッセージをお願いします。

 

horita 今回こういった機会をいただき、僕もいろいろなお話をさせていただきましたけど、伝えたいことはちゃんと言えたのかなと思っています。曲を作るにしてもそうですし、音ひとつとっても本当にいろんな分野の人がみんなで力合わせて作っているんですよね。アニメーションもいろんな方々もたくさんの人の力で作られていますが、音もそうなんですよ!ということが、この連載を通して少しでも伝わってくだされば感無量です。本当にありがとうございました!

 

TEXT BY 澄川龍一

 


 

TVアニメ「空色ユーティリティ」楽曲 配信中

「空色ユーティリティ」キャラクターソング01

青羽美波(CV:高木美佑)「My treasure!」

Streaming & Download:https://lnk.to/my_treasure

 

「空色ユーティリティ」キャラクターソング02

茜遥(CV:天海由梨奈)「Play well!!!」

Streaming & Download:https://lnk.to/play_well

 

「空色ユーティリティ」キャラクターソング03

星美彩花(CV:後藤彩佐)「Have a good Game」

Streaming & Download:https://lnk.to/HaveagoodGame

 

「空色ユーティリティ」挿入歌

高橋洋樹「Zubatto☆ショット 首ったけ!!!」

Streaming & Download:https://lnk.to/Zubatto_Shot_Kubittake

 

商品情報

2025年2月19日(水)発売

「空色ユーティリティ」キャラクターソング・ミニアルバム

PCCG.02429 / 3,300円(税込)

*ご購入はこちら:https://lnk.to/sorairo_HAMCD

 

2025年3月26日(水)発売

「空色ユーティリティ」オリジナル・サウンドトラック

PCCG.02431 / 4,400円(税込)

*ご予約/ご購入はこちら:https://lnk.to/sorairo_OST

 

TVアニメ「空色ユーティリティ」作品情報

TOKYO MX、テレビ神奈川、MBS、BS朝日ほかにて放送中!

 

CAST

青羽美波:高木美佑

茜遥:天海由梨奈

星美彩花:後藤彩佐

秋名泉美:花守ゆみり

田所昌夫(マサ):井上和彦

田辺長介(チョウ):堀内賢雄

田中哲弘(テツ):森川智之

 

STAFF

監督・キャラクターデザイン:斉藤健吾

シリーズ構成:佐藤裕

脚本:佐藤裕・皐月彩・水月秋

原案協力:望公太

色彩設計:武田仁基

美術監督:工藤義隆

撮影監督:呉健弘

編集:重村建吾・佐藤彩香

音楽・音響監督:daisuke horita

音楽制作:Yostar Pictures Sounds・ZENTA STUDIO

 

アニメ制作:Yostar Pictures

INFORMATION

HP:https://anime-sorairo-utility.com/

X:https://twitter.com/@sorairo_utility

YouTube:https://www.youtube.com/@sorairo_utility 

Instagram:https://www.instagram.com/anime_sorairo_utility/ 

TikTok:https://www.tiktok.com/@sorairo_utility

©空色ユーティリティ

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