TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』音楽連載企画 第14回!原作・苗川采 × 担当編集・亀丸卓充 対談インタビュー後編が公開!

TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』音楽連載企画「私が聴きたい、うらばなし」 第14回:原作・苗川采 × 担当編集・亀丸卓充[後編]
TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』。その音楽の魅力に迫るべく、本作の関係者たちによるインタビュー連載企画「私が聴きたい、うらばなし」!最終回となる第14回は、第13回に続いて原作・苗川采と担当編集・亀丸卓充の対談インタビューを掲載!後編では、アニメや楽曲に関する思い、今後の展望について語ってもらった。


――顔合わせの際に「電波ソングをやりたい」とお話しされたのは、どういうアイデアからだったのでしょうか?
苗川 浜辺さんから「やりたいことはありますか?」と質問されたんですよ。そのときに、その場のノリで言ってしまったんですよね。『わたたべ』って序盤はシリアスなノリが多いですけど、たまにおちゃらけたシーンもあるので、電波ソングがあってもいいのかなと。「絶対にやってください!」というよりも、「そういうのがあると嬉しいです、聞いてみたいです」くらいのニュアンスだったんですが、いつしか正式に進行していて……。
亀丸 原作者じゃないと言えない意見ですよね(笑)。それを真面目に選択肢に入れるアニメスタッフも行動力がたくましくて驚きました。

――しかも、「太陽、なってあげよっか?♡」は苗川先生が作詞に名を連ねています。
苗川 本当にありがたい気持ちでいっぱいです。ファイルーズ(あい)さんの歌声もとても可愛らしくて、ハッピーな気持ちでレコーディング現場を見学させていただきました。
――最終的には「太陽、なってあげよっか?♡」以外にも「贄-nie-」と「リリィ」、「リリィ[Another ver.]」と4曲も主題歌が完成しました。
苗川 自分はマンガを描くときに音楽を聴いていることが多いので、自分が作った世界観をこうして楽曲にしていただける機会があるなんて! ととても嬉しく感じています。「贄-nie-」は、ライブで聴いたときには本当に全身が震えました。こんなにスーパー最高歌手の方に歌ってもらえるとは……。また、「リリィ」も上田(麗奈)さんのレコーディング現場を見学させていただけたんです。そこで北澤(ゆうほ)さんに「葬式で流してほしいほど好き!」と連呼して(笑)。
亀丸 「リリィ」は元々上田さんの歌唱予定しかなかったんですよ。でも、どこかで私や苗川さんがスタッフと会ったときに、「歌詞を汐莉目線でも解釈できますよね」と話をしたことがあって。そこから音楽プロデューサーの渡部(直)さんが動いてくださった結果、石川(由依)さんが歌ってくださることになったんです。
――「リリィ」は苗川先生のイラストも映像内で使用されていましたが……。
苗川 アニメスタッフさんから「原作イラストを使いたい」とお話があったので、ぜひ、とさまざまなイラストをお送りしたんです。そうしたら本当にふんだんにお使いいただけて……。あと、「リリィ」といえば、汐莉バージョンのエンディング用に描きおろしたイラストも印象深いです。最初は比名子バージョンの映像と変わらない予定だったのですが、レコーディングに感動して浜辺さんたちに「追加で汐莉のイラストを描いてもいいですか?」と直談判したんですよ。

亀丸 あのイラストは不意打ちでした(笑)。というのも、石川さんのレコーディングの日は私がスケジュールの都合上立ち会えず、苗川さんだけ現場にいたんですね。そこで話が進んでいるものだから、原稿が届いたときに初めて知って驚いて。苗川さんの軽いフットワークには驚かされてばかりです(笑)。

――そんな軽いフットワークが現れた一つが、毎週発表されているカラーのアフレコレポートマンガです。
苗川 元々アフレコレポートマンガを描くお話はあったのですが、第1話と最終話だけの予定だったんですね。ただ、収録を見学させていただいていたり、劇伴のレコーディングにもリモート参加させていただいたりする中で、こんな多くのプロフェッショナルが『わたたべ』に携わっていただけているのだと改めて実感したんですよ。ちょうどアフレコレポートマンガをどうするか考えていたので、その熱に感動して「私も、全話描くしかないのでは?」と……。
亀丸 でも、全話描くことになったときは、第1話と最終話以外はモノクロのつもりだったんですよ。全話描くだけでも凄まじいので、着彩をしている時間はないだろうと。でも、原稿が届いて確認してみると、全ページカラーなんですよね(笑)。

――そこまで熱を込めてアニメ『わたたべ』に関わられたということは、それだけ本編が印象的だったことの証左かと思います。そんな本編の中で、特に印象深いエピソードをお教えください。
苗川 収録時の思い出が強いからかもしれませんが、第1話の冒頭ですね。やはり自分が描いたキャラクターたちに上田さんや石川さん、ファイルーズさんが命を吹き込んでくださったことがかなり衝撃的でした。自分の作品が原作のはずなのに、思わず「うわっ、本物だ!」って思ったほどです。

亀丸 私は第12話ですかね。比名子の感情が表に発露するシーンは、上田さんのお芝居によって迫力が増したように感じたんです。上田さんは幼少期の明るい比名子も演じてくださいましたが、その変化にはいつも驚かされていましたね。

――ちなみに、今回のアニメ化プロジェクトによって、苗川先生は初めての出来事を数多く経験されてきたと思います。
苗川 海外でのイベントに登壇することは、アニメ化しなければ経験しなかったことの一つだっただろうなと。一生海外に行かずに終わるかもしれないと思っていたのに、今年(2025年)だけで三回も海外に行ったんですよ。しかも、アメリカはワシントンD.C.で『わたたべ』第1話を上映するなんて出来事は、私が言い出しただけでは実現できることではありません。本当に関係者の方々には頭が上がりません……!

亀丸 日本でも東所沢でサイン会を行いましたが、読者の方々と直に会う機会が増えたことがとてもありがたかったですね。普段SNS上で感想を呟いてくださったり、お便りをくださったりする方の想いは知ってこそいましたが、顔を見て熱を感じられることは何にも変え難いものです。そういえば、各国でファンの方の熱の伝え方が異なるのは面白いなと思いました。
苗川 ワシントンは割と日本と変わらずでしたけど、面白かったのは台湾ですね。海外だけど日本語で話しかけてくださる方も多かったことと、テンションが高い人ばかりなことが印象に残っています。ベトナムはシャイな人が多かったけど、静かに熱を伝えてくださったようなイメージでしたね。
――この対談が掲載されている頃には、テレビシリーズの放送はひと段落ついています。この対談の収録時点でも既に映像が最終回まで完成していますが、現在の率直なお気持ちはいかがですか?
苗川 アニメ化することすら実感がなかったのですが、放送が終盤に差し掛かった今、寂しさでいっぱいです。新たなアニメが観られないことも理由の一つですが、アニメスタッフさんとのお仕事に一区切り付く方が悲しいですね。あんなに熱量が高かった人と会う機会が少なくなってしまうのだなと。
亀丸 視聴者としても、アニメ『わたたべ』がここで終わるのか……と寂しくなっている方もいらっしゃると思います。そこでぜひ原作マンガも読んでいただきたいですね。もちろんアニメも傑作ですが、どうしても媒体が異なるためにテンポ感は異なって作られます。「アニメと同じだ!」「原作だとちょっと違う印象になるぞ?」なのか人それぞれだとは思いますけど、苗川さんがどんな感じで表現していたのか、まだ未読の方はぜひ読んでいただきたいですね。
苗川 「電撃マオウ」の連載で追ってくださっている方は、テレビシリーズで出てきた”あの人物”との関係がどんどん解き明かされてくるので、楽しみにしていただきたいです。そして、まだまだ読んでいない方は、アニメ化以降、比名子と汐莉、美胡がどうなっていくのかにもご注目ください!

――いつかテレビシリーズ第2期が実現することを祈っています!
苗川 私もインフィニットさん、ポニーキャニオンさん、スタジオリングスさんに心の中で訴えてます(笑)。そういえば、シリーズ構成の広田(光毅)さんが『わたたべ』をアニメ化範囲以降も熟読してくださっていて。新キャラクターが登場するのですが、彼女のことが大好きだと語ってくださったことがあったんです。あの子もいつか、動いて観られる日が来るといいなぁ……。

取材・執筆:太田祥暉
■作品情報
—STREAMING—
ABEMA・dアニメストアにて毎週木曜23:30〜地上波同時・最速配信中!
Prime Videoほか その他サイトにて毎週火曜23:30〜配信中!
※詳細は各サイトをご確認ください
※放送・配信日時は予告なく変更となる場合がございます
—INTRODUCTION—
「私は君を喰べに来ました。」
突如現れた人魚の少女・汐莉は海辺の街に独り暮らす比名子の手を取り、優しく語りかける。
比名子の持つ血肉は、特別に美味しいという。
それは数多の妖怪を惹きつけるほどに…。
汐莉は、成熟し、最高の状態を迎えるまで比名子を守り”いずれ自分が喰べる”と約束する。
比名子の胸には「このひとなら私の願いを叶えられるかもしれない」という
切なる想いが浮かび—。
—CAST—
八百歳比名子:上田麗奈
近江汐莉:石川由依
社 美胡:ファイルーズあい
—STAFF—
原作:「私を喰べたい、ひとでなし」苗川 采(KADOKAWA「電撃マオウ」連載)
総監督:葛谷直行
監督:鈴木裕輔
シリーズ構成/脚本:広田光毅
キャラクターデザイン:郁山 想
色彩設計:水野多恵子
美術監督:工藤義隆
撮影監督:武原健二
3DCG:志田じしろ
編集:瀧川三智
音響監督:納谷僚介
音響効果:斎藤みち代
音楽:井内啓二
アニメーションプロデューサー:高木秀仁
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:スタジオリングス
—MUSIC— <Streaming & Download>

オープニング主題歌:吉乃「贄-nie-」
作詞・作曲:ユリイ・カノン
編曲:ユリイ・カノン / Naoki Itai(MUSIC FOR MUSIC)
Streaming & Download :https://lnk.to/yoshino_nie
Music Video:https://youtu.be/Yk6szHbYQl4?si=wjged4zQOR4QQveu

エンディング主題歌:八百歳比名子(CV:上田麗奈)「リリィ」
作詞・作曲:北澤ゆうほ
編曲:佐藤厚仁
Streaming & Download :https://lnk.to/watatabe_hinako
Music Video:https://youtu.be/NUH5CN0G0Lg?si=wmOJ66uaSYRCmd0-

第4話エンディング主題歌:社 美胡(CV:ファイルーズあい)「太陽、なってあげよっか?♡」
作詞:安藤紗々 / 苗川 采
作曲・編曲:神田ジョン
Streaming & Download :https://lnk.to/watatabe_miko
Music Video:https://youtu.be/fqtcbzj8bbc

第11話エンディング主題歌:近江汐莉(CV:石川由依)「リリィ[Another ver.]」
作詞・作曲:北澤ゆうほ
編曲:佐藤厚仁
Streaming & Download :https://lnk.to/watatabe_shiori
Music Video:https://youtu.be/aSQ7y43uOYA
<CD>

TVアニメ「私を喰べたい、ひとでなし」オリジナル・サウンドトラック 発売中
3,850円(税込) / PCCG-02473
ご購入はコチラ:https://lnk.to/pccg-02473
視聴動画・井内啓二セルフライナーノーツはコチラ:https://youtu.be/tbfY7xqYFjo
—COMIC—
「電撃マオウ」にて大好評連載中!
「私を喰べたい、ひとでなし」コミックス第1〜11巻大好評発売中!
カドコミWEB(旧コミックウォーカー)掲載中!
https://comic-walker.com/detail/KC_003258_S?episodeType=first
—HP/X—
アニメ公式HP:https://wata-tabe.com
アニメ公式X:https://x.com/wttb_tv/ @wttb_tv
アニメ公式TikTok:https://www.tiktok.com/@wttb_tv
©2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会
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