【インタビュー】笹田靖人　叶姉妹とのコラボ作品を展示する個展『CHAOS』開催！「誰も妥協をしない、120パーセントのコラボレーション！」

2022/4/29

現代美術家・笹田靖人が、2022年初の個展『CHAOS』をTERADA ART COMPLEX 2F Contemporary Tokyoにて開催。先日発表された叶姉妹とのコラボ作品や、今回初お披露目となる新作も多数展示されているということで、インタビューを敢行！より美しい作品にすべく行われた叶姉妹との様々なエピソードや、自身初の最大サイズ感で描いた『勇者ナラシカちゃん爆誕』についてなど、読みどころ満載。5月14日まで開催されているので、気になった方はぜひ会場へお越しください!!

あまりの大きさに冷や汗!?個展に向けて笹田がチャレンジしたことに迫る!!

——今回、「CHAOS」と銘打った個展ですが、タイトルが意味するところとは？

笹田　叶姉妹のおふたりとのコラボ作品やその他の作品も、僕というひとりの人間が描いたものではあるけど、いろいろなものが混じり合った混沌とした世界だなと思って、このタイトルにしました。

——今回の新作を拝見しましたが、これまでとひと味違うなと感じました。

笹田　コラボレーションって大事なんです、自分の作風に新しい血が入るというか。例えば、叶姉妹のおふたりをイメージすると、普段はダイヤをポイントでしか描いていないのを、ジュエリーをたくさん散りばめてみようとか創造力が掻き立てられる発想が浮かんでくるんです。作りかけの作品をおふたりに見てもらい、そのインスピレーションから生まれた意見をいただく。すると、自分の頭に描いていたものが覚醒されて、がむしゃらに描き足していくとより良い作品が出来ているんです。それがおもしろいし、画家として成長させてくれるひとつのきっかけでもありますね。

——コラボにはそういう一面があるんですね。今回、自分史上最大の作品を展示と謳っていますが。

笹田　そうです、100号のキャンバス3枚を使用した作品を展示しています。

——あえて、そのサイズ感で描きたかったということですか？

笹田　普段からずっと作品を描き続けるわけですけど、個展が決まった瞬間に“よし、ぶちかましてやるぞ！”と気持ちが強く動くんです。会場をイメージしたときに、メインで展示する作品は“前の個展で観たことある”とは思われたくないので、観に来てくれた方が喜ぶような、驚嘆するような作品にしようと思ったのがきっかけです。

——今回は、画のイメージではなく、サイズ感が先だったんですね。

笹田　アトリエに巨大なキャンバスを送ってもらい、並べてみたら最初は描けるかなと焦りました（笑）。冷や汗かきながら、スケジュールを逆算して、とにかく描き始めないとと思って、まずはハートを全体に散りばめました。それで、次は目玉焼きだ、とか隙間を埋めるようにいろいろ描き進めて。その中で、急に展覧会で僕が発表している後ろで、僕の代表作「ナラシカ」が「ナラシカちゃん」に擬人化し、剣を持ち守護神のように立っている画が浮かんだんです！色味までハッキリとしていたので、“寝ている場合じゃない！”と寝ずに描き上げたのが、「勇者ナラシカちゃん爆誕」になります。

——いつもながらその想像・発想力に驚かされます。両サイドにいる仁王像も印象的ですよね。

笹田　昔から金剛力士像とかが好きで、木を彫っただけなのに崇めたくなるような不思議な魅力があるんです。あと、今回の個展はダイナミックにしたかったんです。これまでは小さいものをキャンパスに敷き詰める作風が多かったんですけど、意識してパーツを大きく描くことをテーマにしました。

——笹田さんの中でチャレンジだったわけですね。

笹田　意識をしても慣れていないので大変でした。おかげでもっと大きいものでも描けるという感覚になってきました。でも、そういうチャレンジができるのは、マネージャーでもある弟、ポニーキャニオンスタッフのサポートのおかげです。

叶姉妹に喜んでもらえた！笹田が作品内にサプライズで描いたものとは!?

——では、改めて叶姉妹とコラボをすることになったきっかけをお聞きしたいのですが。

笹田　ポニーキャニオンとお仕事を始める際に、叶姉妹のおふたりともお仕事をされていることを知って、いつか描かせていただく機会があったらと思っていました。おふたりは美とセンスの塊で憧れの存在でした。僕は宝石やゴージャスなものを描くのが好き、カラフルな色味も好きなので、おふたりと自分の作風が合うのではないかと思って、お声がけさせていただきました。そのような折に、おふたりがポニーキャニオン内で僕の『KUJAKU』という巨大な作品のプロモーション動画が流れているのを観て、興味を持っていただいたと聞いております。

——そんな偶然がきっかけになるんですね！

笹田　その後、おふたりと打ち合わせをすることになりました。現場に僕のいろいろな画風の作品を持参して、「笹田さんのこういうところが好きです」とおっしゃっていただき、お好きなものや傾向が確認できました。ハッキリとした意見をいただいたので、そのやりとり自体が僕の財産です（笑）。

——貴重な経験ですね。『正方形』と『長方形』の2作品ありますが、どちらから描き始めたんですか？

笹田　『長方形』からです。一度描き終えて観ていただいたんですけど、全体的なところでは「すごく良いです」と言っていただいて。ただ、おふたりのメイクへのこだわりなど、いろいろなアドバイスをいただいてすごく勉強になりました。一度描き上げた作品でしたが、やればやるほど、よりおふたりの顔に近づきクオリティーが上がっていくんです。

——作品を観て、おふたりの表情の再現度がものすごいなと思っていました。

笹田　さすが、美の大先輩です！美しいものを身につけ、見続けているからこその感性なんだなと思いました。もちろん僕の意見も伝えると「笹田さんがおっしゃるなら、そうだと思います」と受け入れてもらえて、誰も妥協をしない、120パーセントのコラボレーションになりました。

——その他に、ポイントとなるところは？

笹田　キャンバスのサイズが特注で、初めてチャレンジした画角です。想い描く画も変わるのでいい経験になりました。あと、運気が上がるものを描いてほしいと言われたんですけど、僕はその上をいきたくて、びっくりしてもらえるようなサプライズとして、おふたりが飼っている猫をこっそり入れたんです。それを見つけてくださって、すごく喜んでいただけました。ひと区画ひと画角じっくり見てくれているんじゃないかというくらい、気に入っているポイントを写真で送っていただきました。今回の経験で、デジタルの技術も成長できましたし、やはり実戦じゃないと勉強にならないし、本当に幸せです。

——コラボ以外の新作でポイントはありますか？

笹田　今までフラットな作品が多かったですけど、今回はマチエル、いわゆる絵の具を盛り上げ立体的にしている作品もあるので、肉厚な画面に注目してほしいです。やっぱり、今までのサイズに今までの画を描いていても、自分に変化を感じなくなりますし、こういうこともやってみるぞ！というチャレンジした部分を観てほしいです。「CHAOS」のタイトル通り、いろいろな笹田靖人が詰まった展覧会になっていると思います。

——今回も現地に笹田さんがいらっしゃる予定はあるんですか？

笹田　もちろん期間中に在廊する予定はあります。その際はSNSで告知をするので、ご都合のよい方はぜひ足を運んでください！

写真／NAOTO OHKAWA

【イベント情報】

『笹田靖人 CHAOS』

開催期間：2022年4月23日（土）～5月14日（土）

休館日：日曜日、月曜日

時間：12：00～18：00

場所：TERADA ART COMPLEX 2F Contemporary Tokyo（東京都品川区東品川1-32-8）

公式ホームページ：https://terrada-art-complex.com/

【叶姉妹×笹田靖人アートコラボレーション特設サイト】

https://ps.ponycanyon.co.jp/kpb-02/